機械学習とディープラーニングの違い
データから学ぶ技術と、特徴量まで自動で取り出す技術

更新日 2026年11月2日 読む時間の目安 約5分
この記事の要点
  • 機械学習は、機械が既知のデータを学習して、未知のデータに対する予測や異常の検知を行う技術です。
  • ディープラーニング(深層学習)は、脳の神経回路をまねたニューラルネットワークを多層にして学習する、機械学習の一種です。判断に必要な特徴量を、人間が教えなくても自動で取り出せます。
  • 機械学習は「訓練データで学習して学習済みモデルを作る学習フェーズ」と「現場で使う実行フェーズ」に分かれます。
この記事の目次
  1. 機械学習とは
  2. ディープラーニングとは
  3. 違いを表で比べる
  4. お客様に説明するときは
  5. 試験での問われ方
  6. 覚え方
  7. 第10章の問題を解いてみる
  8. よくある質問

機械学習とは

機械学習は、機械が既知のデータを学習して、未知のデータに対する予測や異常の検知を行う技術です。人間がプログラムで細かい指示を出すのではなく、コンピュータ自身が大量のデータから規則性やパターンを見つけ出します。たとえば、製造機械が故障する前の異常な高温を見つけて、故障を事前に予測するような使い方があります。

機械学習は、大きく2つのフェーズに分けられます。

  • 学習フェーズ: ビッグデータから異常値を取り除くなどの前処理をして、訓練データを作ります。これを学習器に入力すると、学習器は、訓練データに付いた正解情報と比べながら、規則性やパターンを見つけます。その結果として出てくるものが、学習済みモデルです。学習済みモデルを作るには、高速な演算能力と多くの時間が必要です。
  • 実行フェーズ: 学習済みモデルを AI として現場に置き、現場の実データを未知のデータとして入力して、予測や異常検知に使います。

ディープラーニングとは

ディープラーニング(深層学習)は、ニューラルネットワークを多層(深層)構造にして、機械学習をさせる技術です。ニューラルネットワークとは、脳の神経回路をまねてモデル化したものです。

違いのポイントは特徴量です。特徴量とは、顔の認識なら輪郭・眉・目・鼻・口のように、判断に必要な要素のことです。ディープラーニングでは、この特徴量を人間が教えなくても、学習器が層ごとに順番に取り出しながら学習します。画像のようなデータでは、特徴量の抽出は難しいとされてきましたが、ディープラーニングはこれを自動化できます。

一方で、ディープラーニングの性能は訓練データの質と量に大きく左右されます。また、判断の理由が人間に分かりにくいという課題もあります。

機械学習の流れとディープラーニングの位置づけ 学習フェーズ 訓練データ 学習器が学ぶ 学習済みモデル 実行フェーズ 学習済みモデル 実データで予測 ディープラーニング 機械学習の一種。ニューラルネットワークを多層にして、 特徴量の抽出まで自動で行う
機械学習の流れとディープラーニングの位置づけ(もちこ道場のまとめ)

違いを表で比べる

比べること 機械学習 ディープラーニング
何をする技術か 既知のデータを学習して、未知のデータを予測・異常検知する 機械学習の一種で、脳の神経回路をまねたネットワークを多層にして学習する
学習のしくみ 訓練データの正解情報と比べて、規則性やパターンを見つける 層ごとに順番に、データの特徴を取り出しながら学習する
特徴量 特徴量の自動抽出は、ディープラーニングの特徴として出る 人間が教えなくても、学習器が自動で取り出す
作られるもの 学習済みモデル 学習済みモデル(多層のネットワーク)
注意点 学習済みモデルの作成に演算能力と時間が必要 訓練データの質と量に左右される。判断の理由が分かりにくい

お客様に説明するときは

AI を使った機能を案内するときは、「あらかじめ大量のデータで学習させたものを、実際の場面で使っている」と説明すると伝わりやすくなります。教科書の例のように、画像から顔の輪郭や目・鼻・口を見分ける場面では、ディープラーニングが力を発揮します。「AI は絶対に間違えない」といった言い方は避け、学習に使ったデータの質に左右されることも伝えます。

試験での問われ方

スマートフォン・モバイル実務検定では、第10章「5G/IoT/AIの最新動向」で出ます。もちこ道場の第10章の問題(全50問)のうち、機械学習・ディープラーニングを扱う問題は10問あります。

  • 穴埋め: 「コンピュータ自身が大量のデータから規則性を見つけて学習する技術」に機械学習、「人間が教えなくても層ごとに取り出す、認識に必要な要素」に特徴量を選ぶ。「学習フェーズで前処理を経て作り、学習器に入れるもの」に訓練データを選ぶ問題もあります。
  • 2つの空欄の組み合わせ: 「既知のデータを学習して予測・異常検知を行う技術」と、その結果できるものに、機械学習と学習済みモデル(または訓練データ)を組み合わせる。
  • 記述を選ぶ: 「学習済みモデルを作れば、AI が誤った判断をすることは絶対にない」のような言い切りの誤りを見抜く。

覚え方

  • 機械学習=データで学んで、モデルを作る。流れは訓練データ → 学習器 → 学習済みモデル。
  • ディープラーニング=深い(ディープ)層で学ぶ。層が深いので、特徴量まで自分で取り出せる、と考えます。
  • 用語の関係は「機械学習の中にディープラーニング」。逆にならないように気をつけます。

第10章のほかの用語は「第10章 5G/IoT/AIの最新動向の要点」にまとめています。

第10章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第10章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

AI(人工知能)の分野において、人間がプログラムで細かい指示を与えるのではなく、コンピュータ自身が大量のデータから規則性やパターンを見つけ出す仕組みを利用して学習する技術を1といいます。

答えと解説を見る

正解は 2(機械学習)です。

【概要】

機械学習は、機械が既知のデータを学習して規則性やパターンを見つけ、未知のデータに対して予測や異常検知を行う技術であり、学習フェーズと実行フェーズに分けられる。

【図解】実験的機能

機械学習の流れ(学習フェーズと実行フェーズ) 機械学習の流れ(学習フェーズと実行フェーズ)

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. エッジコンピューティングあなたの解答 エッジコンピューティングは、データの発生源に近い場所で処理を行う考え方であり、データから規則性を学習する技術ではない。
  • 2. 機械学習正解あなたの解答 機械学習は、訓練データの正解情報と比較しながら規則性やパターンを見つけ、学習済みモデルを作り出す技術である。
  • 3. ニューラルネットワークあなたの解答 ニューラルネットワークは、脳の神経回路をまねたモデルであり、データから学習する技術全体を指す語ではない。
  • 4. IoTプラットフォームあなたの解答 IoTプラットフォームは、IoTシステムの構築や運用を助ける共通の土台であり、データから規則性を学ぶ技術ではない。

問2

ディープラーニングは、顔の輪郭や目、鼻、口のように、顔の認識に必要な1を人間が教えなくても、学習器が層ごとに順次取り出しながら学習していく。

答えと解説を見る

正解は 3(特徴量)です。

【概要】

特徴量は、顔の輪郭や目、鼻、口のように、認識に必要な要素である。ディープラーニングでは、その抽出が自動化される。

【図解】実験的機能

ディープラーニングと生成AI ディープラーニングと生成AI

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 正解情報あなたの解答 正解情報は、訓練データに付けられていて学習器が比較に使うものであり、認識に必要な要素ではない。
  • 2. ビッグデータあなたの解答 ビッグデータは、センサなどから集められた膨大な情報であり、認識に必要な要素の名称ではない。
  • 3. 特徴量正解あなたの解答 人間が教えなくても学習器が層ごとに取り出していく、認識に必要な要素という点が、問題文と合う。
  • 4. 学習器あなたの解答 学習器は、学習するしくみそのものであり、取り出される要素ではない。
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よくある質問

ディープラーニングは、機械学習とは別の技術ですか?

別ではなく、機械学習の一種です。ニューラルネットワークを多層(深層)構造にして機械学習をさせることを、ディープラーニングと呼びます。「機械学習が大きな枠で、その中にディープラーニングがある」と考えます。

学習済みモデルを作れば、AI は絶対に間違えませんか?

そうではありません。ディープラーニングの性能は、訓練データの良し悪しに大きく左右されます。学習させるデータが少なかったり、肝心な特徴量が含まれていなかったりすると、うまく働きません。「絶対に誤らない」という記述は、誤りの選択肢として出てきます。

ディープラーニングの判断は、人間がすべて理由まで理解できますか?

判断の根拠を人間が理解しにくい「ブラックボックス」になりやすいことが課題とされています。そこで、人間が理解しやすい「説明可能な AI」の研究開発が進められています。

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出典・注記

出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. スマートフォン・モバイル実務検定(MCPC 公式)