第9章 モバイルに関する基本的な法制度・関連知識の要点
電波法、個人情報保護法、特定商取引法、MNPワンストップを整理
- 第9章は、モバイルに関係する法律と制度の章です。電波法と安全の規制、個人情報と不正の防止、契約と広告のルール、MNP と SIMロックの制度まで出ます。
- 個人識別符号・要配慮個人情報・個人関連情報、ワンストップ方式とツーストップ方式、クーリング・オフのように、似た制度や用語の違いが問われます。
- 用語は「機器と安全」「個人情報と不正の防止」「契約・取引・広告」「乗り換えと SIM」の4つに分けると、覚えやすくなります。
この章で問われること
第9章「モバイルに関する基本的な法制度・関連知識」は、モバイルの利用や契約に関わる法律と制度を扱います。セキュリティの対策は第8章です。
本番の60問のうち、第9章からは6問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全10章の範囲から均等に出す形にしていて、第9章からは6問を出しています。試験全体の約10%にあたります。
もちこ道場の第9章の問題は50問です。本番と同じ4つの形式に分けると、次のようになります。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 20問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 10問 |
| 正しい記述を選ぶ | 10問 |
| 誤った記述を選ぶ | 10問 |
出てくる用語は、次の4つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
4つのまとまりと押さえる用語
1. 機器と安全
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 電波法・技適マーク | 国内で使う端末は原則として技術基準に適合する必要があり、適合した機器に技適マークが付く |
| 電気用品安全法・PSEマーク | モバイルバッテリーは規制される製品。PSEマークなどの表示が必要 |
| モバイル充電安全認証 | MCPC が行う、モバイル機器の充電の安全性を確かめる認証 |
| 低温やけど | 体温より少し高い44〜50度程度のものに長く触れ続けて起きる |
| 製造物責任法 | 製造物の欠陥による被害に対する、製造者等の賠償責任を定める |
2. 個人情報と不正の防止
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 個人識別符号 | 指紋や虹彩などの身体的特徴や、個人に割り当てた公的な番号 |
| 要配慮個人情報 | 病歴や犯罪の経歴など、差別や偏見につながらないよう特に配慮が要る個人情報。取得には原則として本人の同意が要る |
| 個人関連情報 | 個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報のどれにも当たらない個人に関する情報(Cookie の閲覧履歴など) |
| 携帯電話不正利用防止法 | 契約時と譲渡時の本人確認を義務付け、承諾のない第三者への譲渡も罰則の対象 |
| 不正アクセス禁止法 | 他人の ID やパスワードなどを使って入り込む行為などを禁じる |
| 青少年インターネット環境整備法 | 18歳未満の青少年を有害情報から守る。フィルタリングサービスを義務付ける |
| 迷惑メール防止法 | 受信者の同意なく送られる広告宣伝メールを防ぐ(オプトイン方式) |
3. 契約・取引・広告
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 電気通信事業法のガイドライン | 事業者と代理店が守る指針。契約前の説明義務、書面交付義務、初期契約解除制度など |
| クーリング・オフ | 特定商取引法に規定された、消費者を守るルール |
| 電子消費者契約法 | 確認画面などの措置がなければ、入力ミスによる契約の無効を主張できる |
| ステルスマーケティング | 広告と明かさずに宣伝する。景品表示法で、2023年10月から広告である旨の明示義務 |
| ターゲティング広告 | 閲覧履歴などを利用して配信する広告 |
4. 乗り換えと SIM
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| MNP ワンストップ方式 | 転入先への申し込みだけで手続きできる。Web での申し込みと両社の対応が必要 |
| ツーストップ方式 | 現在の会社で MNP予約番号を最初に取得する |
| SIMロック | 2021年10月以降に売られる機種は原則禁止(総務省のガイドライン)。解除の手続きは令和5年10月1日以降すべて無料 |
| eSIM | SIM 機能を本体に組み込んだもの。ガイドラインで普及が促されている |
| 完全分離 | 令和元年9月の改定で盛り込まれた、通信料金と端末代金の分離 |
| 業務改善命令 | SIMロックを不当にかけたり、解除に応じなかったりした場合などの措置 |
| キャリアメール | 携帯電話会社のメールアドレスの呼び名 |
取り違えやすい組み合わせ
選択肢には、似た名前の法律や制度が並びます。次の組み合わせは、「何を守る・定める法律か」を一言で言えるようにしておきます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| 個人識別符号・要配慮個人情報・個人関連情報 | 指紋のデータや公的な番号など、それだけで個人が分かる符号(個人識別符号)か、病歴など特に配慮が要る情報(要配慮)か、それ自体は個人情報に当たらない個人に関する情報(個人関連情報)か |
| ワンストップ方式とツーストップ方式 | 転入先への申し込みだけか、MNP予約番号を先に取るか |
| 不正アクセス禁止法と携帯電話不正利用防止法 | 他人の認証情報で入り込む行為を禁じるか、契約時と譲渡時の本人確認を義務付けるか |
| 電子消費者契約法と特定商取引法 | 入力ミスによる契約の無効を主張できるか、クーリング・オフなどの消費者のルールか |
| 製造物責任法と景品表示法 | 製造物の欠陥の賠償か、広告の表示(ステルスマーケティング)の規制か |
| 電波法の技適マークと PSEマーク | 電波の技術基準への適合か、電気用品(モバイルバッテリー)の安全基準か |
この章の勉強の進め方
- 4つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
ほかの章の要点は「記事の一覧」にまとめています。
第9章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第9章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
迷惑メールを規制するための迷惑メール防止法(特定電子メール法)により、広告宣伝メールは原則として、あらかじめ受信に同意した相手にのみ送信が認められる1という仕組みが導入されている。
答えと解説を見る
正解は 3(オプトイン方式)です。
【概要】
迷惑メール防止法は、受信者の同意なく送られる広告宣伝メールを規制する法律である。あらかじめ受信に同意した相手にだけ送信を認めるオプトイン方式が導入され、同意のない送信は禁止された。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. オプトアウト方式あなたの解答 オプトアウト方式は受信拒否の意思を示すまで送信できる考え方であり、事前の同意を求める本問の仕組みとは逆である。
- 2. ワンストップ方式あなたの解答 ワンストップ方式は新しい携帯会社への申し込みだけでMNPを行う手続きであり、メールの送信規制とは関係しない。
- 3. オプトイン方式正解あなたの解答 オプトイン方式は事前に同意した相手にのみ広告宣伝メールの送信を認める仕組みであり、同法で導入されたため正しい。
- 4. ツーストップ方式あなたの解答 ツーストップ方式は転出元でMNP予約番号を取得してから転出先で契約する手続きであり、メール規制とは関係しない。
問2
従来の抜き差しする物理的なICカードとは異なり、あらかじめスマートフォン本体に組み込まれており、リモート操作で加入者情報の書き込みを行うことができるSIMを1という。
答えと解説を見る
正解は 3(eSIM)です。
【概要】
eSIMはEmbedded SIMの略で、SIM機能をスマートフォン本体に組み込んだものである。抜き差しするICカードではなく、加入者情報をオンラインで端末に書き込む仕組みと組み合わせて使われる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. SIMロックあなたの解答 SIMロックは販売元の会社と契約したSIMカード以外を使えなくする制限であり、SIMの形態を指す語ではない。
- 2. デュアルSIMあなたの解答 デュアルSIMは1台の端末で2つのSIMを使える仕組みであり、本体に組み込まれたSIMそのものを指す語ではない。
- 3. eSIM正解あなたの解答 eSIMは端末に内蔵されたSIMであり、リモートSIMプロビジョニングで加入者情報を書き込めるため正しい。
- 4. SIMフリーあなたの解答 SIMフリーは当初からSIMロックを設定していない端末を指す語であり、本体に組み込まれたSIMを指すものではない。
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よくある質問
第9章はどの章とつながっていますか?
第8章でセキュリティの考え方と対策を扱い、第9章でそれに関わる法律を扱います。第10章は 5G・IoT・AI などの最新の動向です。
技適マークとは何ですか?
国内でモバイル端末を使うには、原則として電波法の技術基準に適合する必要があり、適合した機器には技適マークが付きます。基準に適合しない海外規格の端末などを使うと、電波法に触れるおそれがあります。
MNP のワンストップ方式とツーストップ方式は何が違いますか?
ワンストップ方式は、転入先への申し込みだけで手続きできる方式で、Web での申し込みと両社の対応が必要です。ツーストップ方式は、現在の会社で MNP予約番号を先に取得する方式です。
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出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。