第3章 モバイル通信・通話の仕組みの要点
ハンドオーバ、オフロード、無線LAN、光回線を整理
- 第3章は、モバイルの通信と通話を支える仕組みの章です。電波とセル、移動中の制御、多元接続とLTE、無線LANと固定通信、光ファイバーまで出ます。
- ハンドオーバと位置登録、FDMA・TDMA・CDMA・OFDM、直接波・反射波・回折波のように、似た用語の違いが問われます。
- 用語は「電波とセル」「移動通信の方式」「無線LAN」「固定通信と光回線」の4つに分けると、覚えやすくなります。
この章で問われること
第3章「モバイル通信・通話の仕組み」は、モバイルの通信と通話を支える電波・通信方式・回線の仕組みを扱います。この章で仕組みの言葉をそろえておくと、第4章のインターネット接続の話が読みやすくなります。
本番の60問のうち、第3章からは6問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(60問・60分)は、全10章の範囲から均等に出す形にしていて、第3章からは6問を出しています。試験全体の約10%にあたります。
もちこ道場の第3章の問題は50問です。本番と同じ4つの形式に分けると、次のようになります。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 20問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 10問 |
| 正しい記述を選ぶ | 10問 |
| 誤った記述を選ぶ | 10問 |
出てくる用語は、次の4つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
4つのまとまりと押さえる用語
1. 電波とセルの基本
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| セルラー方式 | 多数のセルでエリアを作る。隣り合うセルは異なる周波数にし、離れたセルで再利用する |
| ハンドオーバ | 通信中に電波が弱まったとき、より強い隣のセルの基地局へ接続先を移す |
| 位置登録 | 待ち受け中に接続する交換局が変わったら、新しい交換局へ知らせる |
| マルチパス | 直接波・反射波・回折波など、電波がたどる複数の経路 |
| リピータ | 電波を中継して、不感地帯をなくす |
| フェムトセル | 宅内に置く小型の基地局。固定系ブロードバンド回線を通じて通信する |
| 電波法・ISMバンド | 電波の利用を管理する法律と、無線LANやBluetoothに使われる2.4GHz帯・5GHz帯を含む周波数帯 |
2. 移動通信の方式
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| FDMA・TDMA | 周波数で分ける(FDMA)、時間で分ける(TDMA) |
| CDMA | 拡散符号で信号を広げて重ね、同じ符号で取り出す |
| OFDM | 幅の狭い多数のチャネルで、並列にデータを送る |
| LTE | 全トラフィックをパケットで扱う設計。接続の遅延が短い |
| VoLTE | 音声通話をパケット通信で実現する技術 |
| キャリア・アグリゲーション | 複数の周波数帯の電波をまとめて使い、高速化する |
| IMT-2000 | ITU が標準化した、第3世代の国際規格 |
3. 無線LAN
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| Wi-Fi CERTIFIED | Wi-Fi Alliance の認定。メーカが違っても相互に接続できることを示す |
| IEEE802.11ac | 5GHz帯を使い、11a や 11n と互換性がある規格 |
| ホーム無線LAN | 家庭の無線LANルータに個人が接続して使う形態 |
4. 固定通信と光回線
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| オフロード | モバイル回線の通信の一部を、無線LAN経由で固定回線へ回す |
| FMC | 固定通信と移動体通信を融合させる取り組み |
| FTTH | 家庭向けの光回線サービス(戸建て用と集合住宅用) |
| ONU | 光回線終端装置。光信号と電気信号を変換する |
| コアとクラッド | 光が進む中心と、それを覆う部分。屈折率の差で光を閉じ込める |
取り違えやすい組み合わせ
選択肢には、同じまとまりの用語が並びます。次の組み合わせは、「何で分けるか」を一言で言えるようにしておきます。
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| ハンドオーバと位置登録 | 通信中に基地局を切り替える(ハンドオーバ)か、待ち受け中に交換局の変化を知らせる(位置登録)か |
| 直接波・反射波・回折波 | まっすぐ届く、跳ね返って届く、建物の裏に回り込んで届く |
| FDMA と TDMA | 周波数で分けるか、時間で分けるか |
| CDMA と OFDM | 拡散符号で重ねるか、狭いチャネルで並列に送るか |
| オフロードと FMC | モバイルの負荷を固定回線へ分散する動きか、固定と移動体の融合の取り組みか |
| FTTH と ONU | 光回線サービスの形態か、建物内で光を電気に変換する装置か |
| コアとクラッド | 光が通る中心か、それを覆う部分か |
この章の勉強の進め方
- 4つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
ほかの章の要点は「記事の一覧」にまとめています。
第3章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第3章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
携帯電話は通信を行っていない待受状態でも、移動に伴って最も電波の強い基地局が変わって接続先の交換局が変わった場合に、自身がどの交換局のエリア内にいるかをネットワークに通知している。この手順を1という。
答えと解説を見る
正解は 4(位置登録)です。
【概要】
待受中の端末が、移動によって接続する交換局が変わったことを知らせる手順を位置登録という。交換局が端末の居場所を把握するため、着信時にすぐ呼び出せる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. ページングあなたの解答 ページングは、位置登録で把握した情報をもとに着信先の端末を呼び出すことであり、端末側からの通知ではない。
- 2. ハンドオーバあなたの解答 ハンドオーバは、通信中に接続先の基地局を切り替える仕組みであり、待受中に居場所を知らせる手順ではない。
- 3. オフロードあなたの解答 オフロードは、モバイル回線の通信の一部を固定回線へ逃がす負荷分散であり、端末の居場所の通知ではない。
- 4. 位置登録正解あなたの解答 位置登録は、電波の最も強い基地局が替わった際に交換局を確認し、変わっていれば新しい交換局へ通知する手順である。
問2
スマートフォンの普及で急増するモバイル回線の通信トラフィックによる混雑を解消するため、通信量の一部を公衆無線LANなどを経由して固定回線へ逃がし、負荷を分散させることを1と呼ぶ。
答えと解説を見る
正解は 2(オフロード)です。
【概要】
混雑の解消などのために、モバイル回線の通信の一部を無線LAN経由で固定回線へ回し、負荷を軽くすることをオフロードという。トラフィック急増への対策の一つである。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. ハンドオーバあなたの解答 ハンドオーバは、移動に合わせて接続先の基地局を切り替える仕組みであり、固定回線への負荷分散ではない。
- 2. オフロード正解あなたの解答 オフロードは、モバイル回線の負荷を無線LAN経由で固定回線へ分散させて軽くすることであり、本問に合う。
- 3. テザリングあなたの解答 テザリングは、スマートフォンを中継して他の機器をネットワークにつなぐ機能であり、固定回線へ逃がすことではない。
- 4. ローミングあなたの解答 ローミングは、契約先以外の事業者の設備を使って通信することであり、混雑解消の負荷分散ではない。
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よくある質問
第3章はどの章とつながっていますか?
第1章でハンドオーバや位置登録の基本、第2章でサービスを扱いました。第3章はそれらを支える電波や通信方式を詳しく扱い、第4章でインターネットへの接続につながります。
オフロードとは何ですか?
急増するモバイル回線のデータ通信の一部を、無線LAN経由で固定回線へ回し、移動体通信網の負荷を軽くすることです。固定通信と移動体通信を融合させる取り組みを FMC といいます。
光ファイバーの「コア」と「クラッド」は何が違いますか?
光が進む中心がコア、それを覆う部分がクラッドです。屈折率が異なるため、境界で光が全反射し、光がコアの中に閉じ込められて進みます。
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出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。